橋梁保全長寿命化事業 佐賀市でのパイロット事業現場視察
日本のコンクリート構造物は86億㎥、資産価値は400兆円といわれています。
そのうち橋梁だけでも20年後には供用後50年以上が50%を超えるともいわれております。
老朽化する公共インフラは大きな社会問題となっています。
道路標識や防護柵のメンテナンスには全標協の活動として取り組んでまいりましたが、このコンクリート橋の床板補修・長寿命化にも当社はかねてより研究を重ね、30年~50年出来れば半永久的にもつ理想的な工法に出会うことができました。
その名は「スーパーホゼン工法」。RC構造の床版を橋梁下面側から補強する工法です。
車両の通行制限をしないで既設床板コンクリート下面に網鉄筋をテーパー付T型アンカーで圧着固定し、床板の振動・衝撃を緩和して、ポリマーセメントモルタル吹付け増厚後に低圧でエポキシ樹脂注入を行って既設床板と完全に一体化する下面増厚工法です。
当社としても交通安全施設、公園景観事業と併せ、3つめの事業として今後も推進していく所存です。
この工法を推進する「一般社団法人 日本建設保全協会」の平成25年度の通常総会が福岡市で行われ、翌日の佐賀市内の視察会に参加いたしました。
この現場は建設省九州技術事務所が1999年に技術活用パイロット事業として行ったもので、佐賀国道工事事務所の直轄国道の跨道橋の劣化の著しい床板に3箇所①ポリマーセメントモルタル抽入充填工法②下面増厚工法③スーパーホゼン工法をそれぞれ120㎡テスト施工したものです。パイロット事業として5年ごとに施工後の状況を点検しておられ、14年目ですので過去2回のチェックがありました。
当日の視察では①②の橋梁下面には、点検時にチョークでひび割れ部がマーキングされている箇所が多数あり、2回目の点検以後のひび割れもありましたが、③のスーパーホゼン工法にはひび割れ一つ見られず大変きれいな状態でびっくりいたしました。スーパーホゼン工法は、長寿命化のもっともすぐれた技術でありことを確信しました。
今後もこの工法の普及に努めるとともにコンクリートの保守・保全の技術向上に研鑽を重ねてまいりますのでどうかよろしくお願いいたします。