ミャンマー最新事情
8月4日から9日まで急速な民主化と経済発展の進むミャンマーを訪問してまいりました。
18年前からミャンマーでタクシー会社を創め、12年前から印刷会社を経営しています私の友人からお誘いを頂き、ミャンマー最大都市でありますヤンゴン市(昔のラングーン市)を3日間視察してまいりました。
真夏の東南アジアの都市ですのでさぞかし暑いことと思って行きましたら、最高気温は30度ほど、木陰に入れば涼しく、中部国際空港に降り立ってこの日本の酷暑にあらためてまいった次第です。
ミャンマーは人口約6,300万人、国土は日本の1.8倍、ヤンゴン市は約500万人。
民族が135もある多民族国家ですが、ほとんどはビルマ人であり、言葉もビルマ語です。
9割が仏教徒であるせいか、人柄も素朴で穏やかな人々という印象を受けました。
また識字率も90%を超えているそうです。
ヤンゴンの治安は大変よく犯罪も少ないようです。そのわけは貧しく食べられなくなればみなお坊さんになり、生活はできるからだといいます。そのせいでしょうか、街中いたるところにお坊さんがおり、皆裸足で歩いておりました。
街でびっくりするのは走行する車の90%がトヨタ車であり、あとの5%もホンダ・日産・スズキなどの日本車であるということです。
もちろん中古車ばかりで、タクシーはプロボックスかカラーラバンといった日本で20万キロも乗ったような車ばかりですが、理由を聞いてみると、ミャンマーは道路事情が悪く、でこぼこ道ばかりなので、足回りが頑丈でしっかりしている日本車が絶対の信頼を受けているようです。
しかし民主化とともに、車の登録許可が一気に100倍に増えたので、どの道路も慢性的な渋滞でどの道路も日本の中古車の列でいっぱいという状況です。
この5月に安倍首相が経済ミッション団とともにミャンマーを訪れ、民主化や経済改革といった取組みに対して日本として官民の総力を挙げて支援していくとの声明が出されました。
もともと軍事政権化では、もっぱら中国や北朝鮮などとの交易が主だったようですが、この1~2年民主化されるにつれてアメリカや日本との経済交流の方が上回ってきたようです。
例えばヤンゴンの主要な港であるティラワ港の開発計画は、中国に決まっていたものを今回の安倍首相の訪問により白紙にして日本に委託されました。
ミャンマー人に聞くと、もともと中国人は信用できず大嫌いとのことでありまして、それに反しサッカースタジアムや大きな橋を建設して見返りを求めず支援を続けてきた日本には印象がいいようで大変好日的でした。
9年ほど前、上海に行った時の中国の平均月収は3~4万円くらいだったと記憶していますが、いまでは倍くらいに上がっているようです。
それに比べミャンマーはまだ月収8000円くらいですので、日本のメーカーや商社はこぞってミャンマー進出を企てています。
しかし友人の松原さんのように現地企業と力をあわせ、信頼関係をミャンマーの人々と築くことができなければ困難であると痛切に感じました。
松原さんの印刷会社は、すでに食品などのパッケージの印刷ではミャンマーでトップのシェアを占めているようですが、なんと昨年から28エーカーの農地を購入して日本のコシヒカリの栽培を始めています。
ミャンマーの米は味がなくバサバサですので、美味しいコシヒカリは現地できっとヒットするものと思います。
松原社長の先見性とチャレンジ精神には本当に頭が下がる思いです。
まだまだ建国の途についたばかりのミャンマー。
電力不足ですぐに停電したり、道路網や鉄道建設も立ち遅れているのですが、インフラも国際協力で整備され、これから5年程の間にミャンマーが大きく経済発展をするのは間違いないようです。
写真は新都市スターシティの模型。高層マンションの周りに学校、ショッピングモール、ゴルフ場などが配置され建設中です。
当社もミャンマーの道路整備に何か寄与できないか、早速検討したいと思います。
お世話になりました株式会社ABCセキュリティーの松原社長、石川県のアサプライ松多社長、株式会社マルワ鳥原社長ご夫妻 ヤンゴンのSHWE INLAY CO.,LTD ジョニー・マー社長には心より御礼申し上げます。
アウンサンスーチーさんの邸宅